富士店カフェの撤退 マエザワの5年間を振り返って

  • 729

 

富士店の改装と同時にもう一つ取り組んだのは、カフェの撤退でした。

ピオンの富士店と清水店にはカフェがありました。

ピオンは衣食住の提案というのがベースにあり、業態をインテリアマートマエザワという家具屋からライフデザインピオンに変更した時に、カフェ併設の店舗となりました。そして、2店舗目の富士店は、設計の時からしっかりとしたキッチンを完備したカフェをオープンさせたのです。

しかし、雑貨屋をやりながら片手間で飲食業に手を出すのは非常に厳しかったんだと思います。カフェ事業は常に赤字でした。赤字だったため、人財投入もできず、社員0で、まわしておりました。事業として、赤字の事業なので、ある程度の目処をつけて撤退しないといけないと考えておりました。

そしてタイミングがきました。

僕が長泉店にいた時に知り合った人気パンケーキ屋のオーナーさんに富士で2店舗目をやりませんかと声をかけたところ、すぐにOKをしてくれたのです。

そして、富士店の改装と共に、カフェもそのパンケーキ屋さんに変わる改装工事が始まりました。それは大掛かりな改装工事でした。

そして、改装工事の途中に、そのオーナーさんのご都合でこの話がなくなりました。

「えっ」と

一瞬、自分の耳を疑いました。

すでに、前あったカフェの内装は全部壊れて、勤めていたパートさんも退職されて、完全にやり直しがきかない状態の時です。

そのオーナーさんのご都合も仕方がない理由だったので、契約解約は、解約条項に基づき粛々と行われていきました。

考えるべきことはその後のことです。

なにせ、入り先の決まっていない改装途中のカフェ物件が店内にポツンとあるのです。

カフェをやり直すにもお金がかかる。

他の事業や売り場も考えたりしましたが、これといったものも見つからず、時間だけがすぎていきました。

その間にも家賃は発生していきます。

Time is money(時は金なり)といいますが、ビジネスの世界ではまさに、時間がすぎる=人件費や家賃などかかるのです。何もやらなくても、かかっていく経費があるのです。

だから、ビジネスは常に動かないといけない。

入って欲しいカフェや、その他の企業さんなどをリスト化して、1件1件電話をしていきました。

いや、それは必死でした。

自分で撒いた種でしたから、自分がなんとかしないといけません。

ガランと開いたカフェのスペースを見て、後ろめたい、申し訳ない、情けない気持ちになりました。が、これは直視しないといけないことでした。

何件も何件も断られ続けましたがKOマートさんにアプローチしました。

「このカフェのスペースにワインショップはいかがですか?」

と、自分でも支離滅裂な提案をして、社長とアポを取らせて頂きました。

そしたら、

「別事業でEF カレーというカレー屋さんをやっているから、カレー屋はどう?」

という、思ってもいないお返事を頂きました。

奇跡だと思いました。

その帰りにそのまま藤枝のお店にいきました。

女性に人気があるおしゃれなカレー屋さんでした。カレーのスパイスは美容にもよく、素敵なコンセプトでした。

そして、契約をして入っていただくことになりました。

オープン当初はカレーの臭いでお互い何度かお話をしましたが、今ではそれも解決し、人気のお店となっております。

このようなピンチの時を救ってくれたKOマートの古川社長に大変感謝をしております。

(写真は富士店のEFカレーさんです)