IKEAで出会った3人日本人1人目 IKEAにいた頃の話
IKEAの話がそろそろ終わりに近づこうとしています。
最後のまとめに入る前に、IKEAで出会った偉大な日本人3名をご紹介させて頂きたいと思います。
僕の仲良しの方々は、本当にみんな偉大で、それぞれに良いところがいっぱいあり、全員尊敬しております。
その中で、敢えて3名をご紹介させて頂きます。ご本人の許可も頂いているので、ファーストネームでお呼びします。
一人目はNAOKATAさんです。
NAOTAKAさんは、僕がIKEA港北にいた時のキッチン売り場のマネージャーで、僕のチームでした。
湘南に住み、サーファー。かっこいいちょいワル親父の男です。性格は、優しく、人望がある。でも、控えめなので、女子に人気のあるタイプの方です。
彼と仲良くなる前に
「NAOKAKAさんって、寺島進に似てますよねー」
って話をしたら、
「上司からそんなことを言われたら、僕のこの先のIKEAキャリアはないと言うことですか?」
と真剣に質問をされてしまいました笑
ちなみに、僕は寺島進が大好きなのです。北野武の映画の「ブラザー」の兄貴のために命をかけ、自ら命をたつシーン。ドラマ「流星の絆」のダメだけど優しいお父さん役。めちゃくちゃ好きなんです。一見軟派だけど、筋が通っていて、真面目で、一生懸命向き合っている人が僕は好きなんですよね。
寺島進はそんな役にぴったりの俳優さんです!
話がそれました。
なぜ、NAOTAKAさんが印象に残っているかのお話をさせて頂きます。
僕が、港北でまだチームから全く信頼されていない時。他部署も含めたマネージャーたち30名ぐらいを集めて、港北のマネージャーはどうあるべきだと話し合った時がありました。
そして、案の定、僕は、下から吊し上げられました。
当時、その僕のチームのマネージャー陣の中に、リーダー格の人物がいたのです。
オフィシャルでは、僕が上司の立場ですが、みんなにとっては、そのリーダー格の人物が実質の上司だったのです。定例の会議の後に彼が開く裏会議がある。そんな感じでした。それが2年間ぐらい続いていました。
そして、その日も、案の定、僕はミーティングで彼から実名で吊るし上げられていました。
「カズさんは、俺らの気持ちをわかっていない」
「カズさんは売り場に来ないから、俺らの働きをみてくれていない」
もう公開処刑状態です笑
僕は、悔しい気持ちもすでに萎えていて、申し訳ない気持ちはありましたが、もういろいろな感情が麻痺していました。その時はあの何も答えられなかったグローバルコマーシャルレビューの後だったので、「もうIKEAやめよう」と思っていました。
その時、NAOTAKAさんが
「そうかなぁ、俺はそうは思わないよ」
と、みんなの前で言ってくれたのです。そう思わない理由も具体的に言ってくれたのです。
1対30だと思っていたので。NAOTAKAさんもアンチの1員だと思っていたので。本当にびっくりしました。
そして本当に嬉しかった。
僕は、IKEAで涙を流したことは3回あります。
もともと涙もろいところはあるのですが、あまり泣くとIKEAに感情移入をしすぎてしまい、もっとずっとIKEAに居たくなると思っていたので、これ以上IKEAが好きにならないように、自分の感情を押さえながら働いていました。
しかし、その時は、そう言ってくれたことが本当に嬉しくて、嬉しくて、みんなの前で涙が出てしまいました。
そして、僕はそのNAOTAKAさんの一言で救われました。
見ていてくれる人がいるんだと思いました。
四面楚歌になっている僕に、次は自分がターゲットになるかもしれないリスクも考えないで、勇気を持って行動してくれるNAOTAKAさんの発言が本当に有り難かった。嬉しかった。
その後も、NAOTAKAさんとは一定の距離を保ちながら笑。僕は彼のことを信頼していました。
僕が、キッチンチーム全員を信じていたのもNAOTAKAさんがまとめているチームだったからです。余談ですが、リーダーの行動というのは、そのチーム全体までそれで評価されてしまうのでとても重要です。
あの場で、あの空気で、そう発言してくれたNAOTAKAさんのことを僕は尊敬しています。
NAOTAKAさんは毎年、湘南でバーベキュー大会を企画しているので、また参加したいと思っています。
NAOTAKAさんこれからも宜しくお願いします。
(写真は僕が退職する時にNAOTAKAさんからもらった漫画「新宿スワン」。なんかNAOTAKAさんにとっては、僕がタチュヒコのように見える見たいです。笑 1巻とその主人公タチュヒコが所属する会社の社長になった30巻の2冊を頂きました)