ショップキーパートレーニング開始 IKEAの頃の話

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IKEAジャパン本部で働いたもう一つの目的がありました。

それはショップキーパートレーニングを再開することでした。

ショップキーパーとは、売り場のマネージャーのことであり、この研修ではIKEAの販売方法を伝えて、実践して行く研修になります。

これがだんだんとフェードアウトしていっていました。

そして、僕のようなIKEAの販売方法を知らないで、パッションだけで上がってきたマネージャーが生まれてきました汗

でも僕は、そういうパッションを持った現場で頑張る人が大好きで、大切に育てたいという思いがあり、IKEAの販売方法の研修を行いたいと考えておりました。

人の結果は

能力✖️情熱✖️考え方

と言われています。

IKEAでは、この「情熱」と「考え方」を重要視していると感じております。

IKEAでは10バリューという、大切にしている10個の価値観があり、その価値観を元に普段どのような考え方で、どのように仕事やチームと向き合っているかが、とても重要です。バリューとは価値観のことなので、そんなすぐに変わるものではありません。そのため、この価値観をベースとした採用プロセスがあり、いくらキャリアや能力があっても、この価値観に合わなければ採用はされません。

ただし、この「能力」の部分もとても重要です。

マネージャーの立場になってくると自分では手は動かさないので、より高いコミュニケーション能力とリーダーシップ能力が必要となります。しかし、それらのスキルを活かしていくには確固とした理論と経験が必要となってきます。

でも、先ほどお伝えしたように、IKEAジャパンは価値観と情熱を評価する傾向にあったので、僕をはじめ、昇格してくる数名の人たちは、その理論がないまま、持ち前の情熱で試行錯誤を繰り返しながら頑張る姿を評価されてマネージャーに上がるという方が多かった。

僕はそれらの人に対して、僕みたいになって欲しくなくて、研修を行いたいと思っていました。そして、それは所属する店舗の人だけではなくて、IKEAジャパン全店にむけてやりたいと思っていました。

これが僕の本部に行く、一つの条件でもあり、上司と合意して本部に異動しました。

まず手始めに関東の3店舗にむけてやってみようということで始めました。

手始めといいながらも3ヶ月のプログラムを3セットやったので9ヶ月のプロジェクトでした。。。

当時は、IKEAの研修プログラムはほとんどが英語で、日本語ではあまり行われません。僕は、この英語がIKEAのノウハウがいまいち落としきれていないボトルネックだと思っていました。ショップキーパーとしては英語は必須。だから英語で行うという考えがありましたが、僕はそれに反対でした。

日本の英語の能力は、ヨーロッパや他のアジアの国に比べると低いのです。これは紙上の学力といった上では、日本は高いと思います。しかし、話たり、聞いたりするコミュニケーションといった上では、とても低いのです。

だから、伝わらないし、わからない。

本当にわからない人はどこがわからないかわからない。と学生時代の教訓もありました。僕は、化学が苦手で、「質問があるなら、いつでも聞いて」と言われるけど、そもそも、自分がどこがわからないのかもわからないのです。

それが英語なら、なおさら、最初からわからないと思い、研修を全て日本語でやりました。英語のテキストはなるべく日本語に要約して行いました。

「日本語でやっている」と批判を受けましたが、僕は日本語で研修をやりたかったのではなく、このIKEAの研修をしっかりと日本人に落とし込みたかった。そして、日本人で堂々と胸を張れるマネージャーたちを作りたかったのです。

今、IKEAでどの程度研修が充実しているかは分かりませんが、受講生の方々に感謝された時は本当に嬉しかったです。

充実した研修に関わることができて幸せでした。そして受講してくれた皆さんには大変感謝をしています。

(写真は、その時の研修の写真がないので、ピオンの売り場の写真です。)